2017年8月4日金曜日

Y

家に帰って郵便受けを開けると、
ごちゃごちゃになったチラシやDMの底に1枚の封筒があった。
神経質そうに丁寧に楷書で書かれた宛名の裏をめくると、
そこにはYの父親の名前があった。

嫌な予感がした。

10代になってすぐの頃、引っ越し先の隣に住んでいたのがYだった。
転校したばかりで勝手のわからない 私を、山へ海へと次々に連れ出した。
春はタケノコやタランボ。
夏はウニにアワビにウミタナゴ。
秋はヤマブドウやコクワ。
冬は裏山でスキー。
土地で話されている言葉もよく聞き取れなかった私が、
1年も経つ頃には多くの友達とコミュニケーションが取れるようになっていた。

高校からは別々の道に進んだものの、Yとの交遊はその後も続いた。
私の家に突然やってきて、ゴルフの打ちっぱなしにまっすぐ向かったこともあった。
玄関先でそのまま長話に興ずることも多かった。

思い返すと、私の方から連絡を取ることはほとんどなかった。
連絡をよこすのも、家にやってくるのもいつもYの方からだった。

そんなYから何も言ってこなくなったのはいつからだったろうか。
生活が困窮していたらしいことは、それまでの話しぶりでわかっていた。
最後に会ったときは体がつらそうだった。
何もしてやらなかったわけではないが、積極的に手を差し伸べることもしなかった。

Yの父親からの封筒が届いたのは、
もしかしたらもう連絡をよこす気がないのかな、と思い始めた矢先のことだった。

嫌な予感は的中した。
Yの訃報だった。

2017年7月5日水曜日

Snapchat

アメリカに住むとある18歳の少年がSnapchatの設定を変える度に私に連絡が来る

私のメールアドレスを登録アドレスとして設定しているためだ

中、全部見れちゃうんだよ

あなたがどういう交友関係を持っていて
どういうものに興味を持っているのか
こっちはわかっちゃうんだよ

やろうと思えば
あなたのSnapchatを乗っ取ることだってできるんだよ

ちょっと小細工しておいた

私からのメッセージに気づいてくれるといいのだけれど


ウェブサイトやアプリでのメールアドレスの打ち間違いは
ときに重大な情報漏洩をもたらすという話

2017年7月2日日曜日

Cafe E.den

先月、カフェ エデンの2号店が丸井今井にオープン

洗いざらしの麻のようにこざっぱりした店内には
ヘニング・シュミートのピアノが流れる

ふわふわのフレンチトーストにコーヒーと


『Cafe E.den/カフェ エデン丸井今井店』札幌市中央区南1条西2丁目札幌丸井今井1条館2F

2017年6月22日木曜日

その後のカラス

朝私を襲ったカラスは夕方にはいなくなっていた

次の日も
そしてそのまた次の日も

どこに行ったんだろう

巣が近くにあったのではなかったのだろうか
大事な卵か雛かがそこにいたのではなかったのだろうか

誰かがそれを撤去してしまったのではないか


心配するじゃないか

2017年6月20日火曜日

カラスめ!

嫌な予感がした

さして広くもない歩道に
左側からは誰かのうちの庭木が
右側からは街路樹が生い茂っている

その左右の木の枝にカラスが1羽ずつ
羽をバタバタさせて止まっている

なるべく気づかれないように
足早にその間を通り抜ける

ガシャッ!

痛っ!

背後から後頭部めがけてカラスが襲ってきた
髪ごと頭をわしづかみにして
そのまままた
はじめにいた木の枝に戻っていった

なんだよ
朝から縁起の悪い

2017年6月18日日曜日

絵を描く愉しみ

最近また絵を描くのが楽しくなってきた

私は目の前にないものを描くのが苦手で
わりと写実系の絵を描いてきたのだけれど、
同時に写真みたいに描くのもいやだった

写真みたいに描くのって結局写真を撮る技術とリンクしちゃってる

そうじゃなくて、
絵そのものが持つ魅力もあるんじゃないかって

最近いろんなモチーフを自由に組み合わせることができるようになってきた

そうしたら
現実にはない場面も描けるようになってきた

楽しい

2017年6月15日木曜日

共謀罪

近くのスーパーで料理用の包丁を買って帰ってくる

国家が私のことを気に食わない人物だと思っているとしたら、それだけの事実をもって私を捕まえることは可能だろう

私が心の中で思っていることなんて、いくらでもでっち上げられるんだから