2014年2月8日土曜日

さよなら、アコギマガジン

Rittor Musicから出ている「Acoustic Guitar Magazine」という季刊誌がある。初めのうちは気になる特集をやっている号だけを購入していて、ここ数年は定期購読をしていた。数えたら、うちには39冊あったから、ほぼ10年分購読していたことになる。

今回の59号で定期購読は終了ということになり、継続の案内が来ていた。でももう定期購読はやめようと思う。この数年、持病の悪化に伴い手の痛みがひどくなり、ギターを思うように弾けなくなった。そんな状況でこの雑誌を読むことは精神的に辛くなった。これを読むとギターを弾きたくなる。でも弾けない。次第にこの本の存在が負担になってきた。

手が痛くなる前は、アコギマガジンに掲載されている楽譜はすべて弾いていた。それらがほぼ満足に弾けるようになった頃、次のアコギマガジンが発売されるというサイクルができあがっていた。たぶん、演奏能力も、ギターに関する知識も、音楽理論の知識も向上してきたのだと思う。でももう演奏能力は上がらない。

ギターに関することで一番楽しいのは演奏することである。その次に聴くこと、知識を得ることなどが続く。その一番楽しいことが奪われた。

机の横の壁にはBreedloveのギターが立てかけられていて、手を伸ばせばすぐにでもギターが弾ける状態になっている。しばらくの間Michael Hedgesの「Ragamuffin」という曲を練習していたから、その曲用のチューニングである、いわゆるDADGADチューニングにして、そのまま置いてある。数ヶ月前、思い立って岸部眞明の曲を弾きたくなって、DADGADで弾ける彼の曲を数曲弾いた。思いのほか指は動き、久しぶりに自分のお腹のあたりから前面に響くギターの音に酔いしれた。でも手の関節と筋肉の痛みは消えていなかった。もうこれ以上弾けない。ギターをまた元に戻し壁に立てかけた。

書店でアコギマガジンの新刊を見かけたら、また買ってしまうかもしれない。そのあとも毎号買う羽目になって、 結局は定期購読割引の分だけ損してしまうことになるのかもしれない。でもそれでもいい。季節ごとに届けられるアコギマガジンを読まなければならないという呪縛から逃れられるなら。

さよなら、アコギマガジン(の定期購読)。